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ホットヨガの欠点は何ですか?

ホットヨガの欠点は何ですか? 気になるヨガ情報
佐藤健一医師

この記事の監修者

佐藤 健一(さとう けんいち)医師・医学博士
スポーツ医学専門医。日本スポーツ協会公認スポーツドクターとして、運動生理学、予防医学の観点から多くのアスリートや一般の方の健康をサポート。著書に『科学的に正しい疲労回復』など。

はじめまして、医師の佐藤です。同僚の方に勧められてホットヨガに興味を持ったものの、会社の近くに新しいスタジオができたと聞いても、「本当に体に良いのだろうか?」と、一歩踏み出すのに少し不安を感じていらっしゃるのですね。その慎重な姿勢は、ご自身の健康を守る上でとても大切です。

結論からお伝えすると、ホットヨガは「正しい知識を持って、ご自身の体の条件が合う人が行えば」心身に良い影響が期待できます。しかし、「誰にでも無条件で勧められるものではない」のもまた事実です。

巷の体験談や広告だけでは、その判断は難しいでしょう。

そこでこの記事では、スポーツ医学の専門家として、医学的根拠に基づき「あなたが安全にホットヨガを始められるか」を判断するための具体的なセルフチェックリストを提供します。読み終える頃には、漠然とした不安は「論理的な自信」に変わり、ご自身で次の一歩を判断できるようになっているはずです。


なぜ不安?ホットヨガの「欠点」の正体は高温多湿という特殊環境

まず、あなたが感じている「なんとなく不安」という感情の正体を、科学的に解き明かしましょう。あなたのその直感は、医学的に見て非常に正しいものです。

ホットヨガスタジオの多くは、室温38~40℃、湿度55~65%という環境に設定されています。実は、このホットヨガの特殊な環境こそが、熱中症や脱水症状といった健康リスクを直接的に引き起こす原因となります。

厚生労働省も注意を呼びかけていますが、このような高温多湿の環境では汗が蒸発しにくくなります。すると、体から熱を逃がすための「気化熱」という体の冷却システムがうまく機能しなくなり、体内に熱がこもりやすくなってしまうのです。

これは根性や体力だけの問題ではありません。誰の身体にも起こりうる、科学的な反応です。ですから、ホットヨガを始める前に、この特殊な環境がご自身の体に与える影響を正しく理解することが、何よりも重要な第一歩となります。

【最重要】医師が教える、たった5つの「安全セルフチェックリスト」

ホットヨガの欠点は何ですか?

では、ここからがこの記事の最も重要な部分です。ご自身がホットヨガを安全に始められるかどうか、以下の5つの質問に「YES」か「NO」で答えてみてください。



いかがでしたでしょうか。

もし、1番から3番のホットヨガを行う上での医学的な禁忌(禁止条件)に一つでも当てはまる場合は、血圧の急変動や脱水のリスクが極めて高いため、自己判断で始めるのは絶対におやめください。まずは、あなたの体のことを一番よく知る、かかりつけの医師に相談することが必須です。

すべての質問に当てはまらなかったあなた。おめでとうございます。次のステップに進み、安全に楽しむための具体的な方法を学びましょう。

チェックを通過したあなたへ。リスクを管理する3つの鉄則

セルフチェックを無事に通過したからといって、油断は禁物です。ここからは、ホットヨガの健康リスクを最小限に抑え、安全に楽しむための「3つの鉄則」をお伝えします。

✍️ 専門家の経験からの一言アドバイス

【結論】: レッスン中の水分補給だけでは不十分です。レッスンが始まる1〜2時間前から、計画的に水分を摂り始めてください。

なぜなら、多くの初心者が「レッスン中に水を飲めば大丈夫」と誤解し、気づかないうちに脱水症状に陥ってしまうからです。大量に汗をかくことが分かっているのですから、事前に体を潤しておく「プレハイドレーション」という考え方が、あなたの体を守る上で極めて重要になります。この知識が、あなたが安全にホットヨガを楽しむための、何よりのお守りになれば幸いです。

具体的には、以下の3つの鉄則を意識してください。

1. 【鉄則1】レッスン前から「計画的」に水分補給を行う
適切な水分補給は、脱水症状を予防する最も効果的な対策です。レッスン中に喉が渇いてから飲むのでは遅すぎます。

  • レッスン前: 開始1〜2時間前から、500ml程度の水やスポーツドリンクを少しずつ飲みましょう。
  • レッスン中: 15〜20分おきに、こまめに水分を補給します。
  • レッスン後: 失われた水分を補うため、レッスン後も数回に分けて水分を摂りましょう。

2. 【鉄則2】「いつもと違う」体のサインを決して見逃さない
高温環境では、自律神経のバランスが乱れ、めまいや立ちくらみといった症状が出やすくなります。

  • 少しでも頭がぼーっとする
  • 吐き気がする
  • 足がつる

これらのサインは、体が発する危険信号です。すぐにレッスンを中断し、涼しい場所で休憩してください。

3. 【鉄則3】「頑張りすぎない」勇気を持つ
特に初めのうちは、「周りの人についていかなければ」と焦る必要は全くありません。ホットヨガの目的は、他人と競うことではなく、ご自身の心と体に向き合うことです。自分のペースを守り、「今日はここまで」と決める勇気が、安全に続けるための何よりの秘訣です。

ホットヨガの欠点に関するよくある質問(FAQ)

ここまで読んで、まだいくつか気になる点があるかもしれませんね。専門家としてよく受ける質問に、正直にお答えします。

Q1. 「汗をたくさんかけば痩せる」というのは本当ですか?

A1. レッスン直後に体重が減っているのは、ほとんどが体から失われた水分の重さです。脂肪が燃焼したわけではありません。水分を補給すれば体重は元に戻ります。発汗による爽快感は大きなメリットですが、「発汗量=ダイエット効果」と誤解して無理をすると、深刻な脱水症状につながるため注意が必要です。

Q2. 常温ヨガとホットヨガ、どちらが良いのでしょうか?

A2. これは、何を目的とするかによります。ホットヨガと常温ヨгаは、環境設定が異なる全く別のものと考えるのが良いでしょう。

  • ホットヨガ: 大量の発汗による爽快感や、筋肉が温まりやすい環境での柔軟性アップを求める方に向いています。
  • 常温ヨガ: 呼吸や瞑想に深く集中したい、筋力やバランス感覚をじっくり養いたいという方に向いています。

もし健康リスクに少しでも不安があれば、まずは常温ヨガから始めてみるのも賢明な選択です。

Q3. 持病があるのですが、やはり諦めるしかないのでしょうか?

A3. 「周りの人は楽しそうなのに、自分だけ…」と焦るお気持ちはよく分かります。しかし、健康が第一です。セルフチェックリストでお伝えした通り、特定の持病がある場合は、ホットヨガが症状を悪化させるリスクを伴います。諦める、と決める前に、まずは必ずかかりつけの医師に「ホットヨガを始めたいが可能か」と具体的に相談してください。あなたの体を守るための、最も誠実なステップです。


まとめ:正しい知識で、不安を自信に変えましょう

この記事では、ホットヨガの欠点やリスクについて、医学的な視点から解説してきました。

もう一度、大切なことをおさらいしましょう。

  • ホットヨガのリスクの正体は「高温多湿」という特殊な環境にあります。
  • 始める前には、必ず「安全セルフチェックリスト」でご自身の適性を確認してください。
  • もし安全に始められる条件が整っていたら、本文で紹介した「①レッスン前から計画的に水分補給を行う」「②体のサインを決して見逃さない」「③頑張りすぎない勇気を持つ」という3つの鉄則を必ず守りましょう。

この記事で得た知識は、あなたの健康を守るための大切な武器になります。もう、漠然とした不安に振り回される必要はありません。

まずはセルフチェックリストをもう一度確認し、もしクリアできたら、次はスタジオの体験レッスンで「頑張りすぎない」ことをご自身の体で試してみてはいかがでしょうか。あなたの健康的で安全な一歩を、心から応援しています。


参考文献リスト

この記事の作成者について

この記事は、読者の皆様の健康に関する疑問に対し、信頼できる情報を提供することを目的に、当編集部が作成しました。執筆にあたっては、スポーツ医学専門医である佐藤健一医師に監修を依頼し、内容の正確性と専門性を確保しています。また、厚生労働省などの公的機関が発表している情報を主要な参考文献としています。

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