「『ホットヨガって汗をかけて気持ちよさそう!』と同僚に勧められ、近所のスタジオの体験レッスンを予約しようとしたけれど、ふと検索してみたら『体に悪い』『やめたほうがいい』なんて言葉が…。せっかくやる気になったのに、なんだか不安になってしまいますよね。」
もしあなたがこのように感じているなら、その不安はとてもよく分かります。新しい健康習慣を始めるのに、体を壊してしまっては元も子もありませんよね。
結論から言うと、ホットヨгаは、正しい知識を持って行えば心身に良い効果が期待できる一方、その特殊な環境ゆえに注意すべき点も確かに存在します。
こんにちは、内科医・スポーツドクターの田中ゆみです。これまで多くの患者さんの健康相談に乗る中で、「ホットヨガを始めたいけれど、本当に安全なの?」という質問を何度も受けてきました。
この記事を最後まで読めば、あなたは以下のことを具体的に理解できます。
- ホットヨガに潜む具体的なリスクとその医学的な理由
- ご自身の体質がホットヨガに向いているかの判断基準
- 初心者でも安心して始められる、レッスン前・中・後の安全対策チェックリスト
漠然とした不安を「これなら大丈夫」という安心感に変えて、あなたが自信を持って一歩を踏み出せるよう、専門家の視点から徹底的に解説します。
監修:田中 ゆみ(内科医・スポーツドクター)
経歴: 〇〇大学医学部卒業後、総合病院勤務を経て、現在はウェルネス・クリニック院長。運動が心身に与える影響について、医学的観点からアドバイスを行う。プロアスリートのメディカルサポート経験、健康情報メディアでの連載多数。著書に『30歳からの賢いカラダづくり』。
監修者より一言: 「ホットヨガは正しく行えば素晴らしい効果が期待できます。この記事で、皆さんが安全に楽しむためのお手伝いができれば幸いです。」
なぜ「ホットヨガは体に悪い」と言われるの?5つの主な理由
まず、なぜホットヨガに対してネガティブな意見があるのか、その背景を理解しましょう。ほとんどの原因は、「高温多湿」という特殊な環境にあります。この環境が体に与える影響が、主に5つの懸念点として挙げられます。
- 脱水症状になりやすい: 大量の汗をかくため、適切な水分補給を怠ると体内の水分が不足しやすくなります。
- 心臓や血管に負担がかかる: 高温環境では体温を下げようとして血流が増加し、心拍数が上がります。これが心臓への負担につながることがあります。
- 自律神経が乱れやすい: 急激な温度変化や過度な発汗は、体温調節などを司る自律神経のバランスを崩す原因になり得ます。
- 筋肉や関節を痛めやすい: 温かい環境では筋肉が弛緩し、普段より可動域が広がりやすくなります。しかし、その感覚で無理にポーズをとると、筋肉や靭帯を傷つけるリスクがあります。
- 衛生面の懸念: 高温多湿の環境は、カビや細菌が繁殖しやすい条件でもあります。スタジオの清掃状況によっては、皮膚トラブルなどの原因になる可能性があります。
これらのポイントを頭に入れた上で、次に具体的な危険性について詳しく見ていきましょう。
【医師が解説】特に注意すべき7つの危険性と具体的な症状
漠然とした不安を解消するには、リスクを具体的に知ることが第一歩です。ここでは、医学的な観点から特に注意してほしい7つの危険性と、そのサインとなる症状を解説します。
実際に、国民生活センターにはホットヨガによる体調不良の相談が寄せられています。
全国の消費生活センター等には、2015年度から2020年5月末までの約5年間に、ホットヨガに関する危害相談が94件寄せられており、皮膚障害が31件と最も多く、次いで切り傷・擦り傷・刺し傷が17件、打撲・ねんざが16件等となっています。
出典: ホットヨガなどでの体調不良にご注意-特に持病のある方、初心者は無理をしないで-(発表情報)_国民生活センター – 独立行政法人国民生活センター, 2020年7月9日
もちろん、これはあくまで一部の事例であり、何百万人もの方が安全に楽しんでいることも事実です。しかし、こうした公的なデータは、私たちが注意すべき点を具体的に教えてくれます。これらの報告も踏まえ、注意すべき点を一つずつ確認していきましょう。
💧 1. 脱水症・熱中症
高温多湿の環境下での運動は、大量の汗をかきます。適切な水分補給が追いつかないと、体内の水分と塩分(電解質)のバランスが崩れ、めまい、頭痛、吐気、けいれんといった脱水症状や熱中症を引き起こす可能性があります。
🌀 2. 自律神経の乱れ
私たちの体は、自律神経が体温や発汗をコントロールしています。しかし、ホットヨガのような非日常的な高温多湿環境と常温の環境を頻繁に行き来すると、この自律神経のバランスが乱れやすくなります。その結果、レッスン後も続く倦怠感、頭痛、不眠、気分の落ち込みといった不調につながることがあります。
❤️ 3. 心臓・血圧への影響
高温下では、体は皮膚表面の血管を広げて熱を逃がそうとします。これにより心臓はより多くの血液を送り出す必要があり、心拍数と血圧が上昇します。健康な方であれば問題ない範囲ですが、高血圧や心臓に持病がある方にとっては、この心臓への負担が大きなリスクとなり得ます。
🤸 4. 筋肉・関節の過伸展による怪我
温かい環境では筋肉が緩み、普段よりも深くポーズがとれるように感じます。これはホットヨガのメリットの一つですが、同時に「ここまでできる」という感覚が麻痺し、自分の可動域を超えて筋肉や関節を伸ばしすぎてしまう(過伸展)リスクも高まります。これが肉離れや捻挫の原因になります。
肌 5. 皮膚トラブル
大量の汗をかいたまま放置すると、汗腺が詰まって「あせも」ができたり、肌のバリア機能が低下して乾燥を招いたりすることがあります。また、衛生管理が不十分なスタジオでは、共用のマットや床から細菌が繁殖し、皮膚炎の原因となる可能性も指摘されています。
🦠 6. 衛生問題(カビ・細菌)
高温多湿のスタジオは、カビや細菌にとって絶好の繁殖環境です。換気が不十分だったり、清掃が行き届いていなかったりするヨガスタジオでは、呼吸器系の不調やアレルギーの原因となることも考えられます。
😵💫 7. 「好転反応」との誤解
レッスン後に頭痛や吐き気を感じた際に、「これは毒素が出ている好転反応だ」と自己判断してしまうのは危険です。これらは脱水症状や熱中症の初期症状である可能性が高いです。体の不調は、無理をしているサインと捉え、決して軽視しないでください。
あなたは大丈夫?ホットヨガが向いていない人のチェックリスト
ホットヨガは誰にでも合うわけではありません。ご自身の健康を守るため、始める前に以下の項目に当てはまるものがないか、必ず確認してください。
- 高血圧、低血圧、心臓疾患、腎臓疾患、甲状腺機能亢進症などの持病がある
- 妊娠中、またはその可能性がある
- 喘息などの呼吸器系の疾患がある
- 現在、発熱や下痢など体調が優れない
- 飲酒後である
- 極端に体力に自信がない、または貧血気味である
- サウナや蒸し暑い場所が極端に苦手である
一つでも当てはまる場合は、自己判断で始めずに、必ずかかりつけの医師に相談してください。 あなたの体を一番よく知っている専門家のアバイスが、安全への第一歩です。
【実践ガイド】ホットヨガを安全に楽しむための「お守り」チェックリスト

リスクを知って不安になったかもしれませんが、ご安心ください。これからお伝えするポイントを守れば、ホットヨガのデメリットを最小限に抑え、安全にその効果を享受することができます。あなたの「お守り」として、ぜひ活用してください。
レッスン前日〜直前の準備
- 前日から水分補給を意識する: レッスン当日に慌てて飲むのではなく、前日からこまめに水を飲んで体を潤しておきましょう。
- レッスン2時間前までに食事を済ませる: 満腹状態での運動は、消化不良や気分の悪さを引き起こします。軽めの食事が理想です。
- 睡眠をしっかりとる: 寝不足は体調不良の元。特に初めての日は、万全の体調で臨みましょう。
- 飲み物は1リットル以上用意する: 水だけでなく、汗で失われるミネラルを補給できるスポーツドリンクや経口補水液もおすすめです。
レッスン中の心得
- レッスン中もこまめに水分補給: インストラクターの指示がなくても、喉が渇く前に少しずつ水分を摂りましょう。
- 「頑張りすぎない」を徹底する: 周りの人と比べず、自分のペースを守ることが最も大切です。痛みや違和感を感じたら、すぐにポーズを緩めましょう。
- 少しでも異変を感じたらすぐに中断する: めまい、吐き気、頭痛、動悸などを感じたら、無理せずスタジオから出て涼しい場所で休み、スタッフに声をかけてください。
- 呼吸を止めない: 常に深く、ゆったりとした呼吸を意識することで、心身のリラックスにつながり、体への負担も軽減されます。
レッスン後のセルフケア
- 急に立ち上がらない: レッスン後は血圧が変動しやすいため、ゆっくりと起き上がりましょう。
- しっかり水分とミネラルを補給する: レッスンで失った水分を補うために、終わった後も十分に飲み物を摂りましょう。
- すぐにシャワーを浴びる: 汗をかいたまま放置せず、シャワーで洗い流して皮膚を清潔に保ちましょう。
- 栄養バランスの良い食事を摂る: レッスン後は吸収が良くなっています。タンパク質やビタミン、ミネラルを意識した食事で、体を回復させましょう。
✍️ 専門家の経験からの一言アドバイス
【結論】: レッスン前後に体重を測り、減少が2%以内に収まるように水分補給をしてください。
なぜなら、体重の2%以上の水分が失われると、運動パフォーマンスが著しく低下し、熱中症のリスクが急激に高まるからです。多くの人が「汗をかいた分だけ痩せた」と勘違いしがちですが、これは一時的な水分の減少に過ぎません。体重を目安にすることで、脱水症状という最も基本的で危険なリスクを客観的に管理できます。この知見が、あなたの安全なホットヨガライフの助けになれば幸いです。
それでも不安なあなたへ|常温ヨガとの違いと選び方
ここまで読んで、「やっぱり高温の環境は自分には合わないかも…」と感じた方もいるかもしれません。その場合は、無理にホットヨガにこだわる必要はありません。常温ヨガも素晴らしい選択肢の一つです。
ホットヨガと常温ヨガは、目的や効果が少し異なります。両者を比較することで、どちらが今のあなたにとって最適かが見えてくるはずです。
ホットヨガ vs 常温ヨガ どっちを選ぶ?
| 特徴 | ホットヨガ | 常温ヨガ |
|---|---|---|
| 環境 | 室温38~40℃、湿度55~65% | 常温(室温) |
| 運動強度 | 高め(心拍数が上がりやすい) | 低~高(プログラムによる) |
| 主なメリット | ・大量発汗による爽快感 ・体が温まり柔軟性が高まりやすい ・冷え性改善 |
・呼吸に集中しやすい ・筋力アップ効果が高い ・場所を選ばず実践できる |
| 主なデメリット | ・脱水、熱中症のリスク ・心臓への負担 ・衛生管理が重要 |
・体が温まるまでに時間がかかる ・冬場は寒く感じることも |
| こんな人におすすめ | ・とにかく汗をかいてスッキリしたい ・冷え性やむくみを改善したい ・柔軟性を高めたい |
・じっくり自分と向き合いたい ・体力に自信がない ・心身のバランスを整えたい |
まとめ:正しい知識で、ホットヨガを安全な味方に
「ホットヨガは体に悪い」という言葉は、その危険性を理解せず、無理をしてしまった場合に当てはまります。しかし、そのリスクは水分補給を徹底し、自分の体調を最優先することで、十分に管理できるものです。
この記事で解説したポイントをもう一度振り返ってみましょう。
- ホットヨガのリスクは高温多湿の環境に起因する。
- 脱水症状や自律神経の乱れが主な注意点。
- 持病がある方や妊娠中の方は、必ず医師に相談する。
- レッスン前・中・後の水分とミネラル補給が何よりも大切。
- 無理をせず、自分のペースを守ることが怪我を防ぐ鍵。
正しい知識は、あなたを不安から守る一番のお守りになります。この記事のチェックリストが、あなたの「やってみたい」という気持ちを後押しできれば嬉しいです。
まずは、気になるスタジオの体験レッスンに参加してみてはいかがでしょうか。この記事の「お守りチェックリスト」を頭の片隅に置きながら、スタジオの清潔さやインストラクターの指導が自分に合うか、ご自身の体で確かめてみるのが一番です。自信を持って、あなたに合った健康的な一歩を踏み出してくださいね。
参考文献リスト
- 独立行政法人国民生活センター. (2020年7月9日). ホットヨガなどでの体調不良にご注意-特に持病のある方、初心者は無理をしないで-. https://www.kokusen.go.jp/news/data/n-20200709_1.html
- 美容医療の口コミ広場. ホットヨガはやめたほうがいい?危険性や副作用・やってはいけない人を徹底解説. https://clinic.beauty-park.jp/hotyoga-kiken/
- ラジーン. ホットヨガのリスクとデメリット|危険性と注意点を徹底解説. https://raji-nn.or.jp/column/hotyoga-risk/
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